<ハ·ジェグンのイシュー分析>
YGとスンリに向けた
人民裁判が正義だろうか
早い断定よりもバーニングサンゲートの
実体捜査要求に集中する時
最近、YGエンターテインメント所属歌手関連記事には決まって悪質な書き込みが掲載されている。 該当歌手が誰であるかとは関係なく、単なるYG所属だという理由だけで、攻撃対象やボイコットの対象になる。 最近では、ある大学でYG所属歌手がイベントに招待されたことを批判する大学報が上がり、総学生会が謝罪する事態まで発生した。 スンリ憎悪、YG憎悪現象が現われるのだ。
理由はスンリが「バーニングサンゲート」の本体にあり、YGヤン·ヒョンソク代表がその背後にあるということだ。 最近話題になった大学報も「クラブ内の強姦、性的接待、性売買斡旋、脱税、不正 、警察癒着、麻薬流通疑惑で調査を受けている所属会社歌手を招待する行為は現時点で不適切だ。クラブ強姦犯罪疑惑の根源地であるY企業のエンターテイメントを消費する行為は悪質な犯罪行為に対する間接的な同調と見られる」と主張した。
これに対して多くの人々が反応し、YGを糾弾した。 天下の凶悪犯でありバーニングサンゲートの本体であるスンリを拘束し、YGに照準を合わせなければならないと要求した。 そのため、総学生会が謝罪するに至った。
しかし、大学報の主張とは違い、YGはバーニングサンゲート関連の調査を受けてはいない。 つまり「クラブ内の強姦、麻薬流通(バーニングサン関連)、警察癒着」の容疑は明らかになっていないということだ。 こうした状況でYGをバーニングサンゲートの背後「クラブ強姦犯罪疑惑の根源地」と断定するのには問題がある。
スンリもバーニングサンゲート関連の容疑を受けたわけではない。 スンリは今、個人不正で拘束令状が申請されたが棄却された状態だ。 警察が世論をバックに「人民裁判式」捜査をしたのではないかという疑惑提起が可能だ。
バーニングサンゲートの真実は現在五里霧中だ。 VIP顧客の性犯罪と麻薬犯罪が組織的に行われ、公権力と固く癒着しているという疑惑が提起されたが、その実体は明らかになっていない。 この部分に捜査力を集中して真実を明らかにしなければならない。
しかし、芸能人と芸能プロダクションを本体に彼らだけを標的にするようになれば、本当の本体を明らかにするチャンスを失う恐れがある。 このため、スンリとYGをバーニングサンゲートと決め付けるのが危険なのだ。
捜査は生物だ。結末をあらかじめ想定してはいけない。 最初からスンリとYGを答えに決めて,彼らを処罰しろと言うのではなく、バーニングサンゲート自体を捜査して、誰の名前が出るのか、どの線まで上がるのか見守らなければならない。 最後になってスンリやヤン·ヒョンソク代表の名前が出る可能性もあるが、それはその時になって問うことであって、今から結論を決めるのは無理がある。
最近スンリの拘束が棄却されたことについて「スンリが勝利し正義が敗北した」と言うが、正義が勝ったのか敗北したのかはまだ分からない。 今の時点でスンリを拘束するには、横領の疑いがはっきりしなければならないが、もし警察がそれが明らかでない状態でスンリの拘束をバーニングサンゲート捜査の目的と人民裁判式に推し進めたなら、棄却は正義の勝利だ。 無条件に「正義が敗れた。これが国か」というようなことではない。
警察、マスコミ、大衆がすべてバーニングサンゲート調査の答えを芸能人と芸能企画会社に性急に挙げたため、バーニングサンゲート真実のドアが閉まっているのではないか、振り返らなければならない。 YGの犯罪が明らかになっていない状況で 、バーニングサンと何の関係もない他の所属歌手を攻撃するのも性急だ。 今は、時期尚早な断定よりも、バーニングサンゲートの実体捜査要求に集中する段階だ。
文/河在根(ハ·ジェグン)文化評論家
source:デイリアン